Calla Lily

湿地性カラー

Fig05

カラー

エチオピカ

カラー エチオピカ

湿地性カラー

オランダカイウ

■育て方/栽培/ケア■

※土に植える植物です。《大型》
●学名Zantedeschia aethiopica
●別名:Arum lily
●分布:南アフリカ/レソト/スワジランド
高さ:600~1000㎜

注意

有毒のシュウ酸カルシウムが含まれています。生で食べると有毒、触った後は手を洗いましょう!

ペットにも注意!

簡単

●オーストラリア西部とニュージーランド、カリフォルニアなどでは侵略的植物とされるほど丈夫です。
●鉄や塩分に対する耐性もある強い植物で海岸沿いでも育ちます(その為、排水の浄化に使われる事もある)。

開花

●春から夏

温度

●温暖な地域なら地植えも可能です。
●多少の凍結には耐えます。

光量

●真夏以外は日光に当てた方が良い。慣らせば真夏の直射日光でも大丈夫なように感じますが確認はしていません。

湿度

●過湿に強く、腰水でも育てられますが、長期間にわたり腰水栽培を続けていると病気になりやすい。
●適応性が高く、ある程度の耐乾性はある。
●野外で水分の少ない環境なら半日陰の方が良いが、その場合花は咲きにくくなる。

換気

●ある程度空気の流れはあった方が良い。

Fig61:カリフォルニアのCalla Lilyと思われる群生、侵略的植物として問題になっている。
培地

●乾燥しすぎなければ普通の用土で大丈夫です。
●オランダカイウは湿地性Callaとも言われている為、沼地や田んぼのような土壌に自生していると思われ立ちですが、自生地の湿原は日本などの温帯地域の湿原とはだいぶ違います。詳細は下段の【自生地について】
南ア国立生物多様性研究所のサイトでは、オランダカイウが自生する土壌は「Loam」との事です。
Wikipediaでは「Loam」とは砂-シルト(砂と粘土の中間)-粘土の割合が40–40–20%の土壌だそうです。
田土のような土がベストという訳ではありません。
●また、肥料は少な目でも育ちますが、これも自生地の環境が、日本人がイメージする湿地帯ほど肥沃ではない為と思われます。

植え替え

●購入時の用土はピートモスを多用した用土が多いですが、このような用土だと気温が高くなると塊根が腐る恐れがある(千草園芸)ので植え替えた方が良い。

湿地性カラー
Fig21: CC BY-SA
その他

●花が終わったら茎や葉っぱを残して、花だけ切る。
その後、茎が自然に枯れたら根元から切る。(ゲキハナ)
蘭と同じですね。花が咲かなくなったバルブも重要な養分貯蔵庫で切ってはいけません。
●チルドシアナ種よりウエディングマーチ種の方が耐病性がある。
●白いカラーでもクリスタルブラッシュやクリアは畑地性の別種です。
●腰水は病気になりやすい??
●小さく育てたいなら低湿度に、低光量だと背が高くなることがあります。

変調 不調

●夏の高温時に葉が枯れることがありますが、休眠期になっただけで株がだめになった訳ではありません。但し、真夏の腰水は根腐れで株がだめになる事があります。
●また、冬の寒さでも休眠期に入る事もあります(環境が良ければ常緑です)。



【自生地について】

Fig29

●Calla Lilyは湿地性カラーと言われていますが、栽培業者の間では長期間腰水で育てていると病気にかかりやすくなると言われています。
GoogleのStreet viewで自生地を調べて本当に湿地に自生しているのか確認してみます。

●Fig29のCalla Lilyは南アフリカのウェイランズ ヴィルト フラワー保護区近辺(Waylands Farms, Darling, 7345, South Africa)で撮影されたものです。
Street viewでFig29の撮影地近辺を探し自生地の様子を探ってみましょう。

※以下の画像は全てGoogleです。

Google

上図が保護区付近のStreet viewの画像ですが乾季なのかほとんど花は見らず、オランダカイウらしき植物も見当たりません。乾燥地帯のようでもあります。
道路右手に干上がった用水路のようなものが見えます、雨季には水が流れるのでしょうか?

オランダカイウは低温や乾季では枯れますが、温暖で湿度のある土壌なら常緑の植物なので水源付近なら見つかるかもしれません。フラワー保護区の北西に湿地らしき場所があるので確認してみます。

・次図(Map1)の左上赤丸部が湿地らしき場所
・フラワー保護区はMap1の一番下

Google: Map1

下図(Map2)は前図(Map1)赤丸部の拡大図(航空写真)

Google: Map2

湿地らしき場所(緑枠)は下水処理施設でしたが赤枠辺りを探ってみます(次項3画像:Google)。

↑道路右手に白い花が咲いています。
もう少し近づいて電柱の下あたりを拡大してみるとオランダカイウの様です↓。Fig29の写真と同じような光景が確認できました。

道路の土を見てみると泥炭ではなく砂地の様で、湿地の土壌には見えません。

疑問に感じますので湿地の土壌について調べてみます。

【湿地について】

(湿地と湿原はまた違いますが)湿原の環境と土壌という農林水産省の資料には下記のように書かれています。

”湿原の土壌環境は,特に気温によって変化し,冷涼地から温暖地にかけて泥炭・黒泥・鉱質土壌の順に変化する。”


●日本人が考える湿地のイメージは”泥炭・黒泥”の湿原で、南アフリカの湿地は”鉱質土壌”の湿原なのかもしれません。
そして季節によってはだいぶ乾燥気味になるようです。

●湿地と言っても水芭蕉が自生する尾瀬の様な湿地とはだいぶ異なります。
その為、長期間にわたって越水栽培をしていると病気になったり、ピート(泥炭)を多用した用土では根腐れしたりするのかもしれません。

南ア国立生物多様性研究のSANBIというサイトでもCalla Lilyは水はけのよい環境を好むと書いてあります。

【余談になりますが】

●田土が良いとか腰水が良いとか書いているサイトも多いですが、何度夏越しをした上でそう言っているのでしょうか?
実は私も一昨日カラー エチオピカを買ってきたばかりでこのサイトを作っているので人のことは言えないのですが。。。

●当サイトも含めて、インターネットの記事は鵜呑みにしない方がいいと思います。

●スマホで何でも簡単に調べられる時代ですが、結局は自分で考えて検討/勉強していかないといけないのではと思います。


●画像ID: ①著作者②作品名③ライセンス形態④備考⑤URL
・Fig05:①Jay Huang②Calla Lilies 2023③CC BY-NC 2.0④翻案⑤https://www.flickr.com/photos/jayhuangphotos/52692058405
・Fig21:①Octagon②Zantedeschia aethiopica South Africa③CC BY-SA 3.0④SA翻案⑤https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Zantedeschia_aethiopica_South_Africa.jpg
・Fig29:①jpot123②Calla Lily③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/145162029
・Fig61:①mpistono86②Zantedeschia aethiopica③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/150086261

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