桜の木に着生するシダ植物(画像左側)
【着生植物の利点】
●土は不要:着生植物は写真のように樹木に張り付いて成長しますので土はいりません。
●施肥も少なめ:根からあまり養分を吸収できない環境で育つ為、肥料も少な目でOK(木にしがみついているだけで、キノコのように木から養分を吸収している訳ではありません)。
【気中湿度】
●着生植物の多くは地中の水分を吸収する代わりに、気中の水分を吸収してます。
●気中湿度が高い環境を好みますが、根は空気中に晒されているのが普通で、土に植えると根腐れしやすいです。
●注意事項として
・葉:こまめに葉水を与え湿度を高める。
・根:排水性を良くし、過湿にしない。
【主な着生植物】
●ラン:胡蝶蘭、カトレアなど多くの蘭。
●森林サボテン:フィッシュボーンカクタス、月下美人等。
●観葉植物:ディスキディア、グズマニア、ホヤ等。
●その他:エアープランツや一部のシダ等
【半着生植物】
●アンスリウム(園芸品種は地性種ともいわれていますが着生植物に近い育て方ができます。)
【日照について】
●「着生植物は森林の中で木漏れ日程度の光を受けているので強い光は苦手」という記述をよく見かけますが、それは当たっている事も多いですが、間違っている事も多いです。
●着生とは “太陽光獲得競争の手段” でもあります。着生植物が陰生植物とは限りません。
●ちゃんと調べた上で「木漏れ日程度の光……」と書いているサイトは少ないですので注意しましょう(当サイトもちゃんと調べていないケースもあります)。
●下図のような植物は、「低光量+換気なし+ジメジメ鉢植え」には弱い事も多いです。
●日照関連記事
・Fig1: Hoya kerrii(ハートホヤ)、葉っぱ1枚で売られている事が多いですが、基本的に成長しません。ちゃんとした”つる草”を購入しても光が弱いと成長が遅く花も咲きません。
●日本では樹木は寒い時期に葉を落としますが、熱帯では乾季の暑さが厳しい時期に葉を落とす事もあります。樹上と言えども木漏れ日のような生易しい環境とは限りません。(もちろん木漏れ日のような環境が適切な着生植物も沢山あります。)
・電線に着生するチランジア。熱帯の直射日光に晒され、ほとんど養分を得る事が出来ない過酷な環境ですが、植物の重さで電線が切れるほどたくましく成長する。
●画像ID: ①著作者②作品名③ライセンス形態④備考⑤URL
・Fig1:①woraphot②Hoya kerrii③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/149542019
・Fig61:①rajanrao②Resplendent Quetzal③CC-BY-NC④⑤https://www.inaturalist.org/observations/166849561
・FigP7:①angelicabecerrat②Tillandsia punctulata③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/2734794