Heliamphoraケア/育て方

ヘリアンフォラ

スマホは横向きがいいかもしれません

ヘリアンフォラの育て方/生態

陸生植物ですので土が必要です。ほぼ着生植物の近い種もあります。

【分布】

Fig64:Canaima National ParkのH. nutans。背後の緑色の植物はステゴレピスと思われます。

●ベネズエラ ボリバル共和国を中心にガイアナやブラジル北部まで
●ごく一部の種を除きテプイ(=神の家、日本ではテーブルマウンテンと呼ばれる)に自生しています。
●雨の多い地域で種子は風よりも水によって運ばれる。

【テプイ】
●標高1000m超の山頂で気温は10℃~25℃位で涼しく、雨や霧が多く湿度が高いところです。
●大地は砂岩で土は少ない。
●雨が多く曇りがちな場所ともいわれていますがほぼ赤道直下で標高も高く日差しの強い場所と思われます。

Fig27:テプイ

食虫植物】

●ヘリアンフォラは食虫植物で貧栄養な環境で育つため、肥料は与えなくても育ちます。
●食虫植物としては土壌の養分を吸収する傾向がありますが、過剰な肥料は枯れる原因になるので与えないほうが無難かもしれません。
●捕食する昆虫の量は他の食虫植物と比べて少ないようです。無理に虫を入れる必要はありませんが状態よく育っている場合は低脂肪牛乳や葉面散布肥料を一滴入れてもいいかもしれません。
●上から水をかけられるのを嫌う食虫植物が多いですがヘリアンフォラは雨や霧吹きが大好きです。内部に常に水が溜まっている状態が良い。

Fig80:H. minor
Fig23

●ヘリアンフォラはネクタースプーンと呼ばれる部分から蜜を出し虫をおびき寄せ捕虫します。
●但し、自生地のテプイでは虫の数も少なく捕虫器の中にはあまり虫が入っていないことが多いようです。

●自生地のテプイは土の少ない砂岩の大地で根から吸収できる養分も少なく捕らえられる虫も少ないことから、養分は光(光合成)に依存している傾向があるのではないでしょうか?

●下図はミドリビタイテリハチドリ。テプイ高原によく見られる大型のハチドリ。

光 】

●かなり明るい環境を好むが温度上昇を伴う光は要注意!夏の直射日光不可、白熱電球もかなりの熱を発生させるので要注意です!LEDライトが良い。
●できる事なら側面からも光を照射したほうが良い。
●光量が十分だと葉が赤くなる。
●種にもよりますが成長に伴い赤みが強くなる傾向があります。

Fig06:H. minor交配種, 弱光下(CC BY-SA)
Fig80:H. minor, 強光下(CC BY-NC-SA)

【低光量時の葉の状態】
・葉が色あせる。
・ネクタースプーン(葉の上端の虫をおびき寄せる蜜をだす部分)が成長しない、小さくなる。
・葉が「襟」のように外側に反る。(末期症状)

上図:直写日光の当たる場所に生えるヘリアンフォラ。

難易度】

●高温や細菌感染などに弱く難しいかも
●比較的高温にも強く育てやすい種
Heliamphora minor
Heliamphora nutans
Heliamphora heterodoxa

下画像はテプイにも生息するアカオビカザリドリ(タグにpainting #artとあるので合成画像?)

Fig10:H. nutans

湿度

●高湿度を好む。但しカビや細菌などに弱いためジメジメした環境は良くない。換気を良くした上でこまめに葉水を与える。
●腰水には注意が必要です。根は常に湿っていたほうが良いのですが、古い水や細菌が繁殖するようなジメジメ、嫌気性の環境は良くない為、給水→乾燥→給水の繰り返しのほうが無難かも。

Fig26:CC BY-SA, アカオビカザリドリ 注)合成画像です。
Fig97: Heliamphora nutans

ほか

●根が十分に張った個体は環境適応力が高い。不要な植え替えは避けたほうが良い。
●雨の多い環境でも花に水がたまらないように進化している。
●組織培養のものは最初の一年は成長が早い。
●全てのヘリアンフォラは交雑する。
●マルハナバチが受粉媒介者として知られている。
●ちゃんと育っていれば開花はしやすいようなので開花を一年後の目標にしてみるのもいいかもしれません。

Heliamphoraの学名の発音はエリアンフォラが正しいかもしれませんが、ヘリアンフォラの呼び名が普及しているのでこのサイトでもそうします。

Fig58:Auyán Tepui

東テプイと西テプイ

ベネズエラ南部の国境付近にあるヘリアンフォラの主な自生地

【西テプイ】
●セロ ドゥイダとネブリナ山脈を中心とした西側地域(ウエスタンレンジ)のテプイをこのサイトでは西テプイとします。
●(ヘリアンフォラ以外の植物も草丈が長く生存競争の結果として)草丈が長いヘリアンフォラが多い。
●東テプイより熱帯性。
●主なヘリアンフォラ長丈種
Heliamphora chimantensis
Heliamphora tatei
●例外的短丈種
・Heliamphora hispida

Google

【東テプイ】
●グラン サバナを中心とした東側地域(イースタンレンジ)のテプイをこのサイトでは東テプイとします。
●開けた環境
●草丈が短いヘリアンフォラが多い。
●主なヘリアンフォラ短丈種
・Heliamphora minor
・Heliamphora nutans
・Heliamphora heterodoxa
・Heliamphora ionasii

●例外的長丈種
・Heliamphora elongata
・Heliamphora chimantensis

●画像ID: ①著作者②作品名③ライセンス形態④備考⑤URL
・Fig03:①grasseat②Venezuelan troupial③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/190832003
・Fig06:①Falconaumanni②Heliamphora heterodoxa x minor③CC BY-SA 3.0④翻案⑤https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Heliamphora_heterodoxa_x_minor_Jard%C3%ADn_bot%C3%A1nico_de_Valencia_(2).JPG
・Fig10:①bruceholst②Heliamphora nutans③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/46094510
・Fig11:①DrWurm②Huntington Botanical Gardens③CC BY-NC-SA 2.0④翻案⑤https://www.flickr.com/photos/drwurm/3644696611/
・Fig23:①Brian Gratwicke②Marsh pitcher, Heliamphora minor③CC BY 2.0④翻案⑤https://www.flickr.com/photos/briangratwicke/6181999323/
・Fig26:①J.A.Jacomelli②Red-banded fruiteater③CC BY-SA④SA⑤https://www.flickr.com/photos/120088444@N07/16252757926/
・Fig27:①Stig Nygaard②Canaima③CC BY 2.0④翻案⑤https://www.flickr.com/photos/stignygaard/28055216027/
・Fig56:①lkliewer②Venezuelan troupial③CC BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/202156056
・Fig58:①Stig Nygaard②Canaima③CC BY 2.0④⑤https://www.flickr.com/photos/stignygaard/28863489058/
・Fig64:①urbinaurbana②Heliamphora nutans③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/65697764
・Fig80:①Adam B.②Heliamphora minor③CC BY-NC-ND④ND⑤https://www.flickr.com/photos/99579779@N05/16484825680/
・Fig95:①Tim Snell②such a pretty garden③CC BY-ND 2.0④ND⑤https://www.flickr.com/photos/timsnell/8176819895/
・Fig97:①morten②Heliamphora nutans③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/118834697
・Fig980:①Miloslav Dobšík②Heliamphora minor③CC BY-NC-SA 2.0④翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/37115198980/

Fig95: Kukenan tepui, ベネズエラ

【ベネズエラの国鳥】

●ムクドリモドキ (Venezuelan troupial)
●乾燥した地域に生息、スズメよりもかなり大型で27㎝位になる。

Fig03

●上画像はボルチモアムクドリモドキ(Icterus galbula)でしょうか?
ムクドリモドキより一回り小さいです。

Fig56: ムクドリモドキ/Venezuelan troupial

●前画像(Pinterest)はOrchard Oriole(Icterus spurius)
●和名はアカクロムクドリモドキ、センスのない名前ですね
私なら甘栗オリオールとかもっと香ばしい名前をつけますが(やっぱりセンスない?)

【ベネズエラの国名】

●1999年にベネズエラの国名が「ベネズエラ ボリバル共和国」にかわったそうです。
●ボリバルは南アメリカの独立の英雄Simón Bolívar(背景画像の指差ししている人)だそうですがボリビアの名前とも関係があるのでしょうか?

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