肥料

肥料

Fertilizer

■窒素肥料■

肥料に含まれる窒素速効性植物による吸収
硝酸態窒素●●●植物が直接吸収/利用できる。
アンモニア態窒素●●植物が直接吸収/利用できるが土壌微生物により硝酸態窒素に転換されてから吸収される事が多い。
尿素態窒素植物が直接吸収できない。土壌微生物により複雑な転換を経て硝酸態窒素になり吸収される。
シアナミド態窒素同上。
有機態窒素同上。
参考:BSI生物科学研究所

【着生植物に関して】

●窒素はその多くが硝酸態窒素に転換されてから植物に吸収されます。
●肥料は土壌微生物の働きを考慮して作られていますが、着生植物をバークなど土壌微生物が少ない環境で育てる場合は肥料メーカーの計算通りの効果が出るとは限りませんので、胡蝶蘭などの着生植物用の肥料が良いかもしれません。
下段の洋ラン用肥料のモルコートには植物が直接吸収できない尿素態窒素などは含まれていません。

【蘭に関して】

●3種の蘭(陸生蘭2種と着生蘭1種)で実験した論文では
“The rates of uptake of nitrate and ammonium were linear, with a higher uptake rate for ammonium.”(硝酸塩とアンモニウムの取り込み速度は直線的で、アンモニウムの取り込み速度がより高かった)との事です。
●nitrate(硝酸塩)をnitrate nitrogen(硝酸態窒素)と解釈してよいのか、ammonium(アンモニウム)をammonia nitrogen(アンモニア態窒素)と解釈してよいのか私には英語的にも化学的にも判断できませんが、たぶんそうだと思いますので(いい加減でごめんなさい)、
蘭は硝酸態窒素よりアンモニア態窒素の吸収量が多いです(たぶん)。

【モルコート】

モルコート(洋蘭)に含まれる窒素(全13%)の内、アンモニア性窒素は9%、硝酸性窒素は4%です。

【人類にとっての窒素】

●蛇足になりますが、人類が消費するエネルギーの1%以上は肥料などのアンモニア合成(Haber-Bosch Processによる窒素固定)に費やされているそうです。そして人体のタンパク質の半分以上はこのアンモニア合成によって存在しているそうです。
●現在、化学肥料に批判的な風潮が強いですが、化学肥料を廃止するなら人類を半数に減らさなければなりません。。。
●「地球に悪いものは廃止!」というのは簡単ですが、廃止したらどうなるのか考えてみる事も大切ではないでしょうか?
●世界中の飢餓を救っている最も大きな貢献はこのアンモニア合成(化学肥料)です。

【さらに蛇足】

●ベトナム料理は野菜が多くヘルシーで日本人にも人気がありますが、現地での野菜栽培には有機肥料(人糞も含む)が使われており寄生虫が付いている事もあります。旅行で訪れた人が野菜に付いた寄生虫を食べ、被害にあう事もあります。有機肥料ってそんなに素晴らしいでしょうか?(そして無農薬ってそんなに素晴らしいでしょうか?)
(日本人はアニサキスの危険を知りながら安易に生魚を食べています。文化や実情を理解せずにベトナムを批判する事には意味がありません、あくまでも有機肥料の現実の一例です)
野菜を選べるのなら私は化学肥料(と農薬)で育った虫のいない野菜の方がいいと思っています。

※繰り返しになりますが、
ベトナム批判の意図はありません(寄生虫の危険が高い食材を食べているのは日本人も同じです)、ご了承ください。