日照
光量
日当たり
~~初めに~~
※この記事は下記のサイトを参考にしております(参照順)。
●光の単位:Laboratory of Plant Physiology, Waseda University (以下文中の表記:早稲田)
●植物生産における光に関連した単位:Takehiko Hoshi, Tokai University, Shizuoka JAPAN (文中の表記:東海)
①照度
●植物にはどの位の光を当てた方が良いのでしょうか? その物差しとして「照度」が使われることがよくありますが実は「照度」は植物向けには適さない指標です。 ●なぜなら「照度」というのは ”人間の目に感じる明るさの感覚により近づけるため、人間の目の感度がよい緑色の領域は大きめに見積もるといった、波長による補正を加えて ”(早稲田)いるからです。 ●わかりやすく言うと「人間に都合のよい緑色の波長にはボーナスポイントを加算して数字を大きくしている」ということです。
●しかし植物が光合成に必要なのは赤や青の光で ”緑色の光は、クロロフィルの吸収が一番小さい部分です” (早稲田) 。 (光合成はクロロフィルによって行われる) ●ですので「照度」は人間に都合よく、しかし植物には都合の悪いように改ざんされた数値ということになります。 そして照度の数値が同じであっても光の種類(太陽光、蛍光灯 e.t.c.)によって赤、緑など光の成分は異なり、 植物にとっては、蛍光灯等の光は太陽光ほど有益ではない事が多いです。 ●太陽光の1万ルクスと蛍光灯の1万ルクスの照度を分かりやすく比べてみると下のグラフのようなイメージになります。(早稲田大学の教授様、これで合ってますでしょうか?)
●また、蛍光灯などの照明は基本的に人間用に作られているので緑の波長が多く植物には向むきません。
●ちなみに葉っぱが緑色なのは緑色の光を吸収できずに反射してしまうからです。
②植物の為の指標
●照度の代わりに "光合成光量子束密度(PPFまたはPPFD)を使用するのが、光合成に関連する光環境を表現するために、より適当であると考えられています。" (東海) ●この光合成光量子束密度で同じ照度の自然昼光と蛍光灯の光を比較すると次図のように大きな違いが出ます。 ※単位換算シート(東海)で計算
※自然昼光:日中の全天放射6500K
※蛍光灯 :昼光色(日立)
●3万ルクスの照度で比較すると
・太陽光の密度:504
・蛍光灯の密度:333
これが植物に有効な光の量になります。
人間にとって同じ明るさに感じても植物にとっては蛍光灯の光は太陽光の66%にすぎません。
※333÷504×100=66%
③光量不足?
●例え照度が同じでも、植物にとって蛍光灯の光は自然昼光の3分の2の明るさしか無いことになります。
窓辺の光は5000ルクス位だそうですが、太陽光の5000ルクスに相当する光量を蛍光灯で出すには7500ルクスが必要な計算になります。
●さらに蛍光灯の光は2年半前後で明るさが30%減になります。*1
植物を室内で栽培している場合、ちゃんと光量を管理していたつもりでも、実際には光不足だったというケースも多いのではないでしょうか?
●やはり日光に当てるというのはとても大事なことのようです。
*1:2年半で30%減の計算:
マイクラフトの「LEDの寿命の定義」下部の表の2行目の「蛍光灯」を参照して計算。
(6000+12000)/2[h] ÷ 10[h/day] ÷ 365[day] = 2.5年
④蛇足(通販について)
※思いつくまま書いた無駄な記事です。
●当サイトにあるようなマイナーな植物は通販でしか買えない事も多いです。
ネット通販というのは本当にありがたいですが「ポイントが付くから」「安いから」買うのではなく「本当に欲しいから」買うようにしましょう。
●またどんなに安くても状態が悪くてすぐに枯れてしまったらかえって高くつきます。
●通販の評価欄を見ていると「虫がついていたから」と悪い評価を付ける人がいますが、植物なのである程度は仕方ないのかなとも思います。私も虫嫌いなので気持ちはわかりますが。