Heliamphora 種

ヘリアンフォラ

上図:Fig60, スマホは横向きがいいかもしれません。

Heliamphora minor

ミノール

ヘリアンフォラ ミノール

おすすめ 【東テプイ】

●ベネズエラ ボリバル共和国、Auyan Tepui と Cerro la Luna
●15㎝以下の小型種。
難易度】ミノールはヘリアンフォラの中では小型で丈夫と言われていますが高温には注意が必要です。
明るい光と高湿度と風通しが必要でなるべく涼しいところに置く。
【温度】5-35℃、長期間の35℃は耐えられない。根の温度が低いことが重要。軽い霜には耐えるらしい。

Fig32:CC-BY-SA

●気温が25℃以上の時期は株分けなどをしないほうが良い。
●自生地では半分水没していることもある

Heliamphora arenicola

アレニコラ

ヘリアンフォラ アレニコラ

【東テプイ】
ベネズエラ ボリバル共和国、カナイマ国立公園のグランサバナの下記テプイに分布
・ilu tepui
・Tramen tepui
・Karaurin tepui

珪砂を好む
高さ20㎝弱
ネクタースプーンが小さく独特の色合い

次項Pinterestの画像の詳細は不明。Brazillianと書かれていますがブラジルでは見つかっていないようです。

Heliamphora ceracea

チェラチェア

ヘリアンフォラ チェラチェア

ブラジル北部(アマゾナス州)
●英語圏ではセラセア
●ネクタースプーンが細く尖っている。

アキレスモルフォ:グランサバナのテプイ近辺にも飛来する。
FigC72:CC BY-NC-SA
FigR18:グランサバナの標高1000mにて/味は不味いらしい

Heliamphora chimantensis

キマンテンシス

ヘリアンフォラ キマンテンシス

【西テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国、カナイマ国立公園のグランサバナ南西部のチマンタテプイに分布。
●標高2000m前後の谷沿いの川付近に多い。
●ほかのヘリアンフォラより土の多い環境を好む。
●自生地では周りの植物より背が高く、日陰に自生していることはほとんどない。
●自生地では50㎝位になるが栽培下では20㎝以下であることが多い。
●花は咲くが種子はほとんどできない。
●他の種より直立したネクタースプーンが特徴。

FigC02:CC-BY-SA

Stegolepis ligulataと一緒に生えていることが多い。

FigC16:Stegolepis guianensis ( ≠ S. ligulata)

●キマンテンシスは大きなコロニーを作る。
個人的な感想ですが養分を虫に頼っているようには見えません。もともと昆虫などの少ないテプイで大きなコロニーを作っても虫を捕獲できるピッチャーは少ないのではないでしょうか?(リンク:右側灰色内のPDFをご覧ください)

Heliamphora ciliata

チリアータ

ヘリアンフォラ チリアータ

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国のグラン サバナ
●比較的低地に自生している→多少高温にも耐性がある?
●常に湿った環境や浸水した環境で育つ。
●小型
画像無し

FigC07:Canaima National Park

Heliamphora collina

コリーナ

ヘリアンフォラ コリーナ

【東テプイ】小型
●ベネズエラ ボリバル共和国
●自生地では20㎝を超える事もあるが栽培下では20㎝未満。
●日陰に自生していることも多いようです。

FigC14:CC BY-NC-SA

ヘリアンフォラ コリーナはBonnetia roraimaeの木陰などに自生していることも多い。

FigC98:Bonnetia roraimae
FigC75:Bonnetia roraimae

Heliamphora electrum

エレクトルム

ヘリアンフォラ エレクトルム

【東テプイ】小型
●ベネズエラ ボリバル共和国、グランサバナより北部のSierra de Lema(標高1000~1500m)
●シエラデレマはほぼ全体が森林地帯ですが、その中に点在する開けた場所にH. electrumが自生している。
●Sierra de Lemaはイースタンレンジの中で最も湿度が高く、最も降水量多い(4000mm/年)地域でエレクトルムは乾燥に弱いと思われる。
●Sierra de Lemaは雨が降っていないときは濃い霧でおおわれていることが多い→必要な光量はヘリアンフォラの中では少ない??
●大きさは20㎝~25㎝位

画像なし

【流通名】
H. collina “Venamo top”
H. sp. Venamo

Sierra de Lemaの他の植物

Google

Heliamphora elongata

エロンガータ

ヘリアンフォラ エロンガータ

【東テプイ】例外的長丈種
●ベネズエラ ボリバル共和国、グラン サバナの下記テプイ
・ilu tepui
・Tramen tepui
●野生では成長が遅く新しい葉数枚のみが成長し他は枯れてしまう。
●ラテン語の”elongata”は英語の”long”の意味で草体が細長い。
画像なし

Fig50

Heliamphora exappendiculata

エグザペンディクラータ

ヘリアンフォラ エグザペンディクラータ

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国、グランサバナのチマンタ山塊とアプラダテプイ。もっと広範囲に自生している可能性もある。
●ほぼ着生植物で水の染み出る岩場などに自生しています。他の植物が少ない垂直な崖や、崖の下に多い。
●ヘリアンフォラとしてはあまり日の当たらない場所に多く耐陰性がある。
●ネクタースプーンが極めて小さい。
●大きさは20㎝~35㎝位です。大きさも含め変異が多い種です。
●次図(Pinterest)の枯れても落ちない葉は「根を守る」「虫の巣になる」「日陰を作り水分の蒸発を防ぎ、コケ等の発生も促す」等の目的があるのかもしれません。落ちない枯れ葉は岩肌で日照に耐えるチランジア等にも見受けられます。

H. exappendiculata の生態をよく表した写真です。

Canaima National Park, Venezuela
テプイは必ずしも「雨の砂漠」ではありません。

Heliamphora folliculata

フォリクラータ

ヘリアンフォラ フォリクラータ

【東テプイ】
●野生よりも栽培下のほうが大きくなりやすく30㎝を超える事もある。
●成長が早く、成長に伴い赤くなっていく。
●管状で斜めに広がる傾向がある。
●日陰にはほとんど自生していない。→低光量に弱い?
●湿った場所に自生しているのはまれで、水はけの良い岩場に多い。→乾燥に強い?
●自生地では害虫による被害が多い。
・ネクタースプーンの損傷→恐らくスズメバチ
・ピッチャーの損傷→芋虫毛虫

FigF84:CC BY-NC-SA

●自生地:ベネズエラ ボリバル共和国、Aparaman-groupのテプイ
・Aparaman Tepui
・Murosipan Tepui
・Tereke Tepui
・Kamakeiwaran Tepui

Figf12:画像はAparamanではありません。

Heliamphora glabra

グラブラ

ヘリアンフォラ グラブラ

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国、ブラジル北部
●細い。葉は若い時は黄色く成長とともに赤くなる。
●「glabra」の意味は無毛

FigG62:Salto Kawi, Canaima National Park

Heliamphora heterodoxa

ヘテロドクサ

ヘリアンフォラ ヘテロドクサ

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国
●高温に強い低地型もある。
●ヘリアンフォラの中では乾燥にも強い。

FigH89
FigH63

Heliamphora hispida

ヒスピダ

ヘリアンフォラ ヒスピダ

【西テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国/ブラジル北部
●西テプイ産としては例外的な短丈種
●ピッチャーの高さは15㎝~25㎝
●日陰に自生していることが多い。→耐陰性有?
●湿地帯で半分水没した状態で自生していることも多い。
●同じテプイにH. tatei var. neblinaeも自生していますが、H. hispidaはより高く寒く厳しい環境に自生している。栽培下では特に高温に弱い可能性があります。
●分布域(標高)
H. tatei var. neblinae:1800~2000m
H. hispida:1800~3000m

FigY62:キビタイボウシインコ/カナイマ(イースタンレンジ)

Heliamphora ionasi

イオナシ

ヘリアンフォラ イオナシ

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国
●大きさは産地によって差がありますが、50㎝になる事もある。
●開けた湿地に多いが、様々な環境に適応する。
H. tateiほど草丈は高くならないですが体積ではヘリアンフォラ最大の可能性が高い。
●成長は遅い。

Heliamphora nutans

ヌタンス

ヘリアンフォラ ヌタンス

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国/ガイアナブラジル北部
●成長が遅い(交配種はその限りではない)
●成長が早く大型化する「Giant Form」はH. glabraとの自然交雑種のようです。
●主な捕食昆虫はアリ

FigN10:H. nutans

FigN43

Heliamphora parva

パルバ

ヘリアンフォラ パルバ

【西テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国
●「パルバ」の意味は「小さい」ですが30㎝以上になります。西テプイ産にしては小さいという事でしょうか?
●匍匐性の茎をもつ
●花は大きい

●虫を捕食する食虫植物ですが、アリと共生しているようです。魚を捕食するがクマノミと共生するイソギンチャクのような感じでしょうか?
アリは枯葉に住み着きネクタースプーンの蜜を食べるそうです。捕虫器の罠にかかることは少ないそうですが、衰弱した老蟻は落ちたりするのでしょうか?

FigP15:CC BY-NC-SA
FigP62: 自生地のイメージ(写真自体は東部Gran Sabana)

Heliamphora pulchella

プルケラ

ヘリアンフォラ プルケラ

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国
●葉は10㎝位で小型
●環境適応力が高く様々な場所で育つ。
●アムリ テプイの一部の沼地でしか見つかっていない”Black form”と呼ばれる黒いタイプは基本的に半水中で育つようです。また、ブラックフォームはピッチャー内にあまりトゲがないのが特徴です。 PDF12枚目参照

FigP22: H. pulchellaの花
FigU35: アムリ テプイにも自生するU. jamesoniana(食虫植物)

Heliamphora purpurascens

プルプラシェンス

ヘリアンフォラ プルプラシェンス

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国
H. heterodoxaに似ていますが、より大きく細長い。
●ネクタースプーンも大きい。

↑見にくいですが中央手前で花が咲いています。土の少ない砂岩上の水浸しの環境です。

Heliamphora sarracenioides

サラチェニオイデス

ヘリアンフォラ サラチェニオイデス

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国Ptari Tepui
●ネクタースプーンがない。
●ピッチャーの高さは20㎝位です。

H. purpurascensと同じ場所に自生していることも多く、両種の自然交雑種も多い。
●孤立した狭い地域に自生し、個体数も少ないと考えられている。

Heliamphora tatei

タテイ

ヘリアンフォラ タテイ

【西テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国/ブラジル北部
●自生地では大きさが2m(3mとの記載もある)になる事もあるそうです。風で倒されないよう他の植物に寄りかかっていることも多いのでコンパニオンプランツを一緒に育てたほうがいいかもしれません。
●ヘリアンフォラは他の食虫植物と違って自分では虫を消化できずバクテリアなどの力を借りていると言われていますが、タテイは消化酵素を持っているらしいです。

●シノニム
Heliamphora macdonaldaeH. tatei var. tatei
Heliamphora neblinaeH. tatei var. neblinae

H. tateiの近くに自生する植物
Stegolepis

FigC16:Stegolepis guianensis

Heliamphora huberi ??

フベリ

ヘリアンフォラ フベリ

【東テプイ】
●チマンタ山塊
●半日陰。他の植物の日陰になる場所を好む。
●成長は遅い
●野生では草丈30㎝になるが栽培下では小さきなる。
●次図のように独特のネクタースプーンが特徴ですが、光量などの条件によっては他種との区別がつきにくくなる。
●(ヘリアンフォラ全般に言えることですが)色も光量と成長に伴って緑から赤に変化する。

FigF73:H. huberiと思われる種(CC BY-NC-SA)
FigH04:ヒムネオオハシ(カナイマ国立公園)

Heliamphora uncinata ??

ウンシナータ

ヘリアンフォラ ウンシナータ

【東テプイ】
●ベネズエラ ボリバル共和国
H. exappendiculataと似ている

●詳細不明
●日本人として大変残念なことですが、学名の正確な読みは「エリアンフォラ ウンチナータ」と思われます。

FigU16(CC BY-NC-SA)

おすすめPDF
グランサバナのテプイの食虫植物
写真だけでも見る価値があります。

ヘリアンフォラ各種の画像
外部リンク

●画像ID: ①著作者②作品名③ライセンス形態④備考⑤URL
・Fig09:①Tyraelux②Canaima 9③CC BY-SA④翻案⑤https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Canaima_9.JPG
・Fig32:①Daderot②Heliamphora minor③CC-BY-SA④SA翻案⑤https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Heliamphora_minor_-_Atlanta_Botanical_Garden.JPG
・Fig50:①ron brinkmann②Angel Falls, Venezuela.③CC BY-NC-SA④SA⑤https://www.flickr.com/photos/ronbrinkmann/4882993150/
・Fig60:①beavisnail②Heliamphora nutans③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/45318460
・FigC07:①giulia②Canaima③CC BY-NC-ND 2.0④ND⑤https://www.flickr.com/photos/lajul/1489305207/
・FigC72:①Miloslav Dobšík②Heliamphora ceracea③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/37341833172/
・FigC02:①Andreas Eils②Heliamphora chimantensis③CC BY-SA 3.0④SA翻案⑤https://en.wikipedia.org/wiki/Heliamphora_chimantensis#/media/File:H_chimantensis2.jpg
・FigC16:①ml_ls②Stegolepis guianensis③CC-BY④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/53378316
・FigC14:①Miloslav Dobšík②Heliamphora collina③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/34981970814/
・FigC18:①Miloslav Dobšík②Heliamphora collina flower③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/25710337018/
・FigC75:①dolzhanskiy②Bonnetia roraimae③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/197075175
・FigC98:①morten②Bonnetia roraimae③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/118834698
・Figf12:①Stig Nygaard②Angel Falls③CC BY 2.0④翻案⑤https://www.flickr.com/photos/stignygaard/42875169812/
・FigF84:①Miloslav Dobšík②Heliamphora folliculata③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/46969089284/
・FigG62:①Fernando Flores②Kawi Falls | Salto Kawi③CC BY-SA 2.0④⑤https://www.flickr.com/photos/ferjflores/23636796262/
・FigH63:①urbinaurbana②Heliamphora heterodoxa③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/65697763
・FigH89:①nan-cee②Heliamphora heterodoxa③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/18861289
・FigH83:①Dals093838②Heliamphora hispida③CC BY-SA④SA翻案⑤https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Heliamphora_hispida.jpg
・FigN10:①bruceholst②Heliamphora nutans③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/46094510
・FigN43:①pavelkornev②Heliamphora nutans③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/229200043
・FigP15:①Miloslav Dobšík②Heliamphora parva③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/52300748915/
・FigP62:①osvaldo_sagues②Bonnetia roraimae③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/59188462
・FigP22:①Jardin Botanique②Heliamphora pulchella③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/jardin_botanique_lyon/14914432122/
・FigU35:①aguilargm②Utricularia jamesoniana③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/171858417
・FigU35:(〇枠内)①fern_friend②Utricularia jamesoniana③CC-BY④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/155420235
・FigF73:①Miloslav Dobšík②Heliamphora huberi③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/36701733073/
・FigU16:①Miloslav Dobšík②Heliamphora uncinata③CC BY-NC-SA④SA翻案⑤https://www.flickr.com/photos/149935320@N05/52300258616/

・Figzb05:①fechidu②Blue-banded morpho③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/94780250
・FigR18:①thierrycordenos②Heliconius erato ssp. hydara③CC-BY-NC④翻案⑤https://www.inaturalist.org/observations/85016818

Fig09: Canaima National Park, Venezuela

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